裁判所から呼出状が届いた場合、どのように対応すればよいでしょうか?呼出状を無視して応じない場合は、どういった不都合があるでしょうか?解説します。
1 呼出状が届いて最初にすべきこととは??
訴訟を提起された場合、まず最初に裁判所から呼出状が届くことになります。
この呼出状を「出頭命令」と勘違いされている方もいらっしゃいますが、第1回目の期日(口頭弁論期日といいます)は欠席することも認められています。
そして、呼出状の中には、一緒に訴状が同封されています。
まず開封し、できるだけ早く中身を確認して対策を立てること が大切です。
中身を見なくても、届いた時点で、「送達」は完了し裁判の手続きは進んでいきますので、中身を見ないで放置し置くと時間的ロスが生じ、全く得にはなりません。
2 呼出状とは?
裁判所からの封筒を開封すると、「訴状」や「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」などの書類が入って います。
この「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」には、裁判所の連絡先ととも に、第一回目の口頭弁論期日の日、場所、答弁書の提出期限が書いてあります。
第1 回目の口頭弁論は、大体1か月程度先に決められていることが多いのではないかと思 いますが、裁判所の状況や送達された時期にもよるので一概に言えません。
この書類の中身は、この日に「口頭弁論」をするので、裁判所の法廷に来てください ということ、被告の言い分は「答弁書」に書いていついつまでに提出してください、 ということです。
3 口頭弁論とは
上で述べた「口頭弁論」というのは、裁判所の法廷で、裁判官の目の前で原告と被告が双方の言い分を述べる機会のことです。実際は、口で言い分をいうのではなく、自分の言い分は書面であらかじめ提出しておくことが多いです。
被告が自分の言い分を裁判官に伝えるため最初に出す書面が「答弁書」です。あらかじめ、期限までに提出しておけば、裁判官はこれらの書類に目を通し、裁判の進行について考えます。 少し形式的ですが、第1回目の口頭弁論期日では、訴状や答弁書について裁判官が出頭した原告及び被告に対して「陳述しますか?」と確認し、それぞれが「はい」とい えば、訴状や答弁書が裁判手続きで正式に提出されたことになります。
4 呼出状を無視するとどうなる?
呼出状を無視した場合、訴えられた側にとって不利な判決が出される可能性が非常に高いです。
第一回目の口頭弁論までに、答弁書も提出されず、被告が口頭弁論の期日にも来ないという場合、裁判所は、原告の訴状どお りの判決を出すことが通常です。
なお、第一回目の口頭弁論は、裁判所が一方的に指定するので、仕事の都合等で出席できないこともあると思います。こういった場合のため、答弁書さえ出しておけば、欠席すること自体は認められています。この場合は、あらかじめ担当の裁判所書記官に連絡をして1回目の口頭弁論は欠席すること2回目の口頭弁論についての都合のよい日程について電話で相談をしておくのが いいでしょう。
まずいのは、呼出状を無視して、答弁書を提出せず、第一回目の口頭弁論も欠席することです。
これは、答弁書もなく、第一回目の口頭弁論期日にも出頭しないとなると、被告は、 原告の言い分を争うつもりはないものと裁判所が解釈することになるからです。
そして、第一回目の口頭弁論に欠席して原告の主張どおりの判決が出ますと、それによって強制執行まで可能になります。
強制執行等については、こちらのコラムもご参照ください。
→「無視」戦略は、合理的? ~訴えられたのに無視すると危険~
5 答弁書の書き方について
答弁書の書き方について、形式的にどのように書くかは訴状とともに同封された書類に説明があります。また、書いてある連絡先に連絡をすれば、担当する裁判所書記官がある程度教えてくれます。
しかし、裁判所は中立な立場を保つ必要がありますの で、裁判の中身に関して相談にのることは難しいと思います。そこで、自分の言い分が法的に意味があるものか、ほかに、自分の言い分として主張すべきことはないかな ど、裁判の中身については、一度弁護士など専門家による法律相談をされることをお 勧めします。
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- 2004年 弁護士登録。事件取り扱い分野は、一般民事、相続、離婚など家事事件、債務整理など
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