以前のコラムで、貸したお金が返ってこないときや、何かしらのサービスを提供したのに支払いをしてもらえないときなど金銭トラブルが発生した場合には、少額訴訟の利用を検討
してみることをお勧めしました。
→少額訴訟ってなに? 60万円以下のお金のトラブルに限って利用できる裁判制度があるって聞いたけど・・・
少額訴訟は、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴え
のことをいいます(民事訴訟法368条1項)。
少額訴訟の場合、通常、1回裁判所に行けば審理を終えて判決を出してくれる(法370条1項、374条1項)ため、通常の訴訟よりも解決の時間が短く、訴える側の心理的な負担が少なく、判決がもらえればすぐに強制執行に移行することもできるので、債権回収に向けて迅速に動くことができるという特徴があります。
1 そもそも少額訴訟の手続きは?
少額訴訟を提起する場合には、まず、訴状、申立手数料、相手方に書類を送るための郵便切手、添付書類等を用意し、管轄裁判所に郵送又は直接提出する
ことになります。
そもそも管轄裁判所って?という方は、こちらのコラムをご覧ください。
このように、少額訴訟を提起するためには、まず訴状を準備する必要があります。
2 訴状はどうやって書くのか?
裁判所のHP等に少額訴訟を提起する場合の訴状のひな形が公開されていますので、まずはこちらをご覧いただくことをお勧めします。
→kinnsennippann-syosiki.pdf (courts.go.jp)
訴状には、まず被告となる相手方の住所地等を記載する必要があります。
そのため、訴状を作成する前に、きちんと相手方の情報を確認しておくことが肝心です。
また、訴状には、①請求の趣旨
と、②請求の原因
というものを記載する必要があります。
⑴ 請求の趣旨とは??
請求の趣旨とは、少額訴訟によって相手方に何を求めるのかを端的に記載するものです。
少額訴訟は、金銭の支払を求めるものしか利用できない
ので、裁判所のひな形のように、例えば「被告は、原告に対して、金●●万円を支払え」という記載をする
ことになります。
⑵ 請求の原因とは??
請求の原因とは、紛争の要点を記載する
ところです。
例えば、お金を貸したのに返してもらえない時に少額訴訟を利用する場合、
①いつ、どのくらいのお金を貸したのか
②支払期限はいつか、支払期限を決めていないとするといつ返すよう伝えたか
といったようなことを記載します。
裁判所は、請求の原因を見て、紛争の内容を理解します。
少額訴訟は、原則1回で審理を終える手続きなので、請求の原因は、できる限り具体的に記載することが肝要
です。
3 添付書類は何をつければいい??
少額訴訟には、訴状以外にも、
①訴状副本を被告の数、準備する
②当事者が法人の場合には、登記事項証明書を取得して添付する
③申立手数料を収入印紙で納め、被告に書類を送付するための郵便切手を準備する
などの準備が必要です。
また、特に、少額訴訟は、原則1回で終了する手続きですから、1回で裁判所が判断をすることができるように、債権が成立していることを示す確実な証拠を準備しておくことがとても重要です。
例えば、お金の貸し借りであれば、金銭消費貸借契約書などがこれにあたります。
4 ODRの利用
以上解説してきましたように、一口に少額訴訟といっても、様々な準備をする必要があることがわかったと思います。
法律になじみのない方がそういった書類を準備することのハードルはなかなか高いように思います。
一方で、ODRであれば、スマホの操作一つで調停を申し立てることができ、少額訴訟によらずともお金の回収が可能になるかもしれません。
株式会社AtoJは、ワンネゴというODRサービスを提供しています。
実際に債権の回収に悩まれている方がいれば、是非一度、無料で申立てができる、ワンネゴの利用を検討してみてください。
ワンネゴの提供するODRについては、こちらのコラムをご参照ください。
→ODR(オンライン紛争解決)って何?! ODRのメリットとデメリットとは?!
ワンネゴの利用はこちらから→One Negotiation(ワンネゴ)
Author Profile
- 上場企業のメーカー法務部の勤務を経て、現在、中之島中央法律事務所にて執務中。使用者側の労働事件・契約法務をはじめとした企業法務をメインの業務とする。
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