債権回収は、ビジネスにおいて極めて重要です。未払債権を回収することは、事業にとって健全なキャッシュフローを確保するために欠かせません。本記事では、債権回収に関する基本的な理解から、弁護士の専門性を活かしたアプローチ、そして新たなODRという手法について詳しくご紹介します。是非最後までご一読いただき、債権回収に対する新たな視点を得ていただければ幸いです。
債権回収とは
未払いとなっている債権について督促を行ったり、法的手続きなどを行使して回収することを債権回収といいます。
一般的には、まず相手方に内容証明を送付し、未払となっている債権の支払いを督促します。
これに相手方が応じない場合には、訴訟→強制執行という流れを踏むことが一般的です。
これらの手続きが最短で進んだとしても、回収までにはおよそ半年程度はかかることが一般的です。
弁護士費用の相場
債権回収を依頼した場合の弁護士費用は、基本的に以下のような「着手金」「成功報酬」「実費」により成り立っています。
弁護士費用は債権の額によって大きく左右されますし、事務所によって異なる金額を設定している場合もあります。ここで紹介するのは、あくまで一般的と思われる相場なので、あくまで目安として参考にしてください。
① 着手金
弁護士へ依頼すると、着手金というものが発生します。着手金は、いわゆる依頼料のようなもので、債権回収が成功しても失敗に終わっても支払うものです。日本弁護士連合会の定めた(旧)弁護士報酬基準というものが存在し、これによって着手金を算定することが多いように思われます。これによると、最低は10万円となっており、300万円以下の債権の場合は債権額の8%が着手金とされています。
ただ、債権回収の場合、解決方法も任意による話し合いであったり、訴訟等で強制的に回収したり状況によって変わってきます。内容証明を送付するだけであれば、大体3~5万円程度が相場になると思われます。
ここで気を付けて欲しいことが、例えば、内容証明郵便を送って相手が応じず、「内容証明郵便→支払い督促→訴訟→強制執行」と言うように、手続きが進んでいった場合、それぞれに着手金が発生するケースもあり得るということです。
② 成功報酬
債権が回収された場合、着手金と別途成功報酬が発生します。これは、回収額のパーセンテージで設定されている場合が多いです。(旧)弁護士報酬基準によれば、300万円以下の場合16%が成功報酬となります。
③ 実費
着手金に含まれている事務所もありますが、これら費用に加えて実費が加算されることがあります。実費自体はそれぞれそこまでの高額にはなりませんが、見落とさないように確認しておきましょう。
例えば、内容証明郵便の場合、1通あたり郵便代1470円~となっています。
債権回収を弁護士に依頼するメリット
① 自身に合った債権回収の方法を提案してもらえる
単に債権回収と言っても、様々な方法があります。自分一人で債権回収を行おうとしても、事案に即した方法を判断することは難しいと思われます。
弁護士に依頼すれば、今のご自身の状況でどのような方法を取ればいいのかを提案してくれますので、力強い味方となります。
② 手続きを一任できる
場合によっては、訴訟などの法的措置を採るべきケースも十分考えられます。法的手続きは、自身で行う場合、大変な手間と労力がかかります。
適切に手続きを進めなければ申立自体が認められなかったり、かえって不利な立場になってしまったりする場合が考えられます。弁護士に依頼した場合、このようなリスクを回避することが可能です。
③ 精神的負担の軽減
相手方とやり取りすることは、ご自身が想像される以上に精神的な負担がかかります。しかし、弁護士に依頼することで手続きを一任することができますので、精神的な負担を軽減できることが期待できます。
債権回収を弁護士に依頼するデメリット
債権回収を弁護士に依頼するデメリットは、弁護士費用がかかることです。 回収したい債権額が低いほど費用倒れの可能性も高まります。特に、個人間の債権回収の事案で債権額が100万円以下の場合、費用倒れのリスクが高いと言えるでしょう。
特に誤解されがちなのが、弁護士費用は債務者に請求できないということです。
通常、債権回収を行う上で裁判所に支払う実費は、判決を取得した場合、債務者へ請求することは可能です。ただ、弁護士費用は債務者に請求できません。そのため、債権の額によっては、弁護士費用の方が高額となり、本末転倒になってしまう可能性があります。弁護士に依頼する場合には、きちんと事前に相談し、費用感などを聞いておくことが肝心です。
新しい債権回収の方法
当社(株式会社AtoJ)が提供しているOneNegotiationは、法務省が認証した民間紛争解決手続です。「簡単」に、「申立て無料」で、「申立てから28日以内の解決を目指す」紛争解決サービスです。運営及びオンライン・メディエイターが全て弁護士にて運営されている仕組みであり、公正で、解決品質が高いサービスでもあります。
弁護士に依頼しても費用倒れになってしまう債権回収であっても、ワンネゴは無料での申立てが可能なので、費用倒れになるリスクはありません。
多くの方に「Access to Justice」を届けるという理念で運営されているサービスですので、何かの紛争に巻き込まれてしまった方は、是非、一度ご検討下さい。
申立てをご検討されている方はこちらから→One Negotiation(ワンネゴ))。
まとめ
企業の担当者だけではなく、一般の方にとっても、債権回収に関する知識を知っておいて損はないと思います。弁護士の専門知識を活用し、効率的かつ法的に債権回収を進めることは、円滑なビジネスの運営に貢献するでしょう。また、新しいアプローチであるOneNegotiationの利用も検討してみてください。
オンライン上での手続きは、効率的でスムーズな回収を実現します。最新の情報を適切に活用しつつ、より効果的な債権回収を実現していただければ幸いです。
Author Profile
- 上場企業のメーカー法務部の勤務を経て、現在、中之島中央法律事務所にて執務中。使用者側の労働事件・契約法務をはじめとした企業法務をメインの業務とする。
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