売掛金の回収は、企業のキャッシュフローを健全に保つために極めて重要です。
売掛金を回収するプロセスは、まず売掛金の支払いを相手に催告するところから始まり、必要に応じて法的手続きを経て回収を目指します。
以下に具体的な手続きと期間について説明します。
目次
1 売掛金回収のプロセス
売掛金を回収するプロセスは、以下のステップで進むことが一般的です。
① 内容証明郵便を送付し、相手に売掛金の支払いを督促する。
② 相手が支払いに応じない場合、訴訟を提起する。
③ 裁判所の判決をもとに強制執行を行う。
また、相手方の銀行口座を把握している場合には、①の前に銀行口座を仮差押し、その後②の訴訟提起を行うこともあります。
いずれにしろ、迅速に各プロセスを進めていくことが重要です。
場合によっては、少額訴訟を利用するなど、できるだけ時間をかけずにプロセスを進めます。
2 売掛金回収の期間
売掛金の回収は、上記の手続きがスムーズに進んだ場合でも、およそ半年程度はかかるとされています。売掛金の回収を弁護士に依頼される企業も多々存在しております。
3 売掛金回収を弁護士に委託するメリットとデメリット
以下では、弁護士に委託した場合のメリットとデメリットをお伝えします。
(1)弁護士に依頼するメリット
専門家であるため、各プロセスをスムーズに行うことができ、各プロセスにかかる時間を全体として短くすることが可能といえます。
一般的には、
① 債権回収に最適な方法を提案してもらえる。
② 手続きを専門家に任せることで手間を省ける。
③ 相手とのやり取りを弁護士に任せることで精神的負担が軽減される。
というメリットがあると言われます。
(2)弁護士に依頼するデメリット
一方で、弁護士に依頼するデメリットもあります。
具体的には、売掛金の金額が低い場合、費用倒れになるリスクが高いことがあげられます。
そもそも弁護士費用を払ったとしても回収ができない場合もありますし、実際に売掛金を回収できたとしても、弁護士費用は相手方に請求できないため、結果としてマイナスになることも考えられます。
(3)弁護士費用の相場
では、実際に売掛金回収を弁護士に委託する場合、どのくらいの弁護士費用がかかるのでしょうか?
弁護士費用は、通常、依頼時に支払う着手金
、回収成功時に支払う成功報酬
、そして実費で構成されます。
厳密な相場を算定することは難しいですが、一般的には、
① 着手金:一般的には最低10万円から
、300万円以下の売掛金であればその8%が相場
② 報酬金:回収額の16%が相場
③ 実 費:事件ごとによる。例えば、内容証明郵便代や訴訟申立て時の印紙代など
以上のとおりですので、売掛金の金額等をきちんと考慮して弁護士に依頼するかどうかを考える必要があります。
4 ODRという新しい売掛金回収の方法
ODR(オンライン紛争解決)は、迅速かつ効率的な売掛金の回収手段として注目
されています。
弊社の提供しているOne Negotiation(ワンネゴ)は、申立て無料のため費用倒れのリスクがない方法として有効です。
売掛金の回収でお困りの方は、是非一度ワンネゴを利用してみてください。
ワンネゴの提供するODRについては、こちらのコラムをご参照ください。
→ODR(オンライン紛争解決)って何?! ODRのメリットとデメリットとは?!
ワンネゴの利用はこちらから→One Negotiation(ワンネゴ)
Author Profile
- 上場企業のメーカー法務部の勤務を経て、現在、中之島中央法律事務所にて執務中。使用者側の労働事件・契約法務をはじめとした企業法務をメインの業務とする。
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