実証事業「ONE（ODR New Experience）」が開始しました

法務省の実証事業「One（ODR New Experience）」が令和５年９月１日からスタートいたしました。

本コラムでは、この実証事業について解説していきます。

１　ONEとは

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ONE(ODR New Experience)は、法務省所管の「ODRの社会実装の促進に関する調査研究業務」として、法務省の委託により、公益財団法人日弁連法務研究財団および同財団から委託を受ける日本弁護士連合会が行う、ODR(オンライン紛争解決)に関する実証事業です。

法務省では、令和４年３月に「ODRの推進に関する基本的方針～ODRを国民に身近なものとするためのアクションプラン～」を策定しました。

このアクションプランにおいては、短期的な目標として推進基盤の整備を掲げており、具体的には、

①国民へのODR/ADRの浸透

②ODRへのアクセス・質の向上

③ODR事業への参入支援

を取り組んでいくこととされております。

また、中期目標として、世界最高品質のODRを社会実装することが掲げられており、具体的には、

①相談～調停をワンストップ化する環境整備

②トップレベルのODRが提供される環境整備

③AI技術の活用に向けた基盤整備

に取り組んでいくこととされています。

今回の実証事業は、このアクションプランに基づく取り組みの一環として実施されるものです。

実証事業の結果は、研究者による検証を経て、2024年に法務省から公表される予定です。

当社は、この実証事業について、システム開発・運営、デザイン構築などのサポートをさせていただきました。

２　ODRとは

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そもそも、ODRとは、Online Dispute Resolutionの略称であり、IT・AI等の先端技術を用いたオンラインでの紛争解決手続のことです。

「オンライン紛争解決」「オンライン調停」と呼ばれることもあります。

政府も「成長戦略フォローアップ」（令和2年7月17日閣議決定）を受け、「ODR推進会議」を設置するなど、社会インフラとして機能していくことが望まれているサービスです。

ODRは、手続の柔軟性、簡易・迅速性、非公開性、紛争内容に応じた専門家の活用等に加え、時間的・場所的な制約を受けずに、スマートフォン等で紛争解決できるメリットがあります。

対象となる分野は養育費、家賃、医療費、貸金、業務委託費など多岐にわたります。

ODRについてはこちらのコラム（ODR(オンライン紛争解決)って何？！ ODRのメリットとデメリットとは？！）もご参照下さい。

３　ONEの利用の流れ

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ONEは、養育費や家賃、診療費などお金のトラブルに特化した事業となっております。

上の図のように、お金のトラブルが発生した際、ONEにアクセスし、事前質問に答えるとオンライン上で弁護士に無料で法律相談をすることが可能になっています。

オンライン調停による解決が適切と思われる事案については、オンライン調停の申立てが勧められ、現役の弁護士がオンライン調停人としてサポートするオンライン調停（ODR）を受けられます。合意に至りそうな場合には、オンライン上で合意書案が提案され、双方が応諾すれば、合意書がオンライン上で生成されます。

このように、ONEでは、お金に関するトラブルが発生した後、法律相談から、オンライン調停、合意まで、すべてスマートフォンやPCのみで完結する手続きを提供しています。

ODR実証事業「ONE」の新規申立受付は、2023年9月1日から同年12月8日まで予定されています。

４　ONEの活用

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上記のように、ODRは、時間的・場所的な制約を受けずに、スマートフォン等で紛争解決できるという強いメリットのある手続きであり、今後社会実装されることが期待されている手続きとなっております。

すなわち、従来の手続であれば、訴訟や調停を申し立てた場合、平日の日中に裁判所などまで出向いてて手続きを進めることが必要であり、仕事で日中には休みづらいといった事情のある方などにとっては利用がしにくく、十分な司法アクセスが確保されていないという問題点がありました。

一方、ODRでは、日中に仕事をしている方でも空いた時間にスマートフォン一つで手続きを進めることができることになり、各段に司法アクセスが容易になることになります。

また、ONEでは、法律相談からODRまで同一のプラットフォーム上で手続きが進行しますので、法律相談の時点で入力した情報をそのままODRの申し立てに利用することができます。

そのため、法律相談時点で入力した情報をODRの申立時にもう一度入力するといった手間を省くことができます。

さらに、ONEでは、法律相談からODRまで基本的にチャット形式で進行しますので、時間の空いたタイミングで手続きを進めることもできます。

しかも、今回の実証事業ONEは、実証期間中ということもあり、無料での利用が可能となっております。

実証事業ONEは上に記載したような多数のメリットがある手続きとなっております。

お金のトラブルにお困りの方、是非実証期間中にONEを利用してみてください。

なお、ONEの利用は下記のサイトから可能となっております。

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お金のトラブルでお悩みの方へ – ONE お金のトラブルをワンストップ解決