未収金はなぜ毎月発生するのか?─少額・大量の未収金を「対話」で解決する第三の選択肢
2026年7月2日
著者: ワンネゴ編集部 監修:冨田 信雄(弁護士・株式会社AtoJ 代表取締役CEO)
毎月発生する少額の未収金に、これまで有効な手段がありませんでした。弁護士に相談しても「金額が小さく費用倒れになる」、自社で連絡しても「担当者の心理的負担が大きい」。本記事では、未収金がなぜ毎月発生するのか、その構造を紐解きながら、裁判でも自社での督促でもない「第三の選択肢」としての解決法を解説します。
未収金には「2つの種類」がある
未収金は「単発で発生する高額なもの」と「毎月発生する少額・大量のもの」の2種類に分かれ、それぞれ最適な解決法が異なります。
単発で発生する高額な売掛金(数百万円〜)は、弁護士に相談し、訴訟を含む法的手続きを検討する流れが確立されています。一方で、毎月発生する少額・大量の未収金には、これまで現実的な対応手段がほとんど存在しませんでした。本記事が扱うのは、後者の「毎月発生する少額・大量の未収金」です。
| 単発・高額の未収金 | 毎月発生・少額大量の未収金 | |
|---|---|---|
| 例 | 取引先の売掛金(数百万円〜) | 会費・賃料・診療費の未払い(1件あたり数千〜数万円) |
| 従来の解決手段 | 弁護士相談・訴訟(確立済み) | 有効な手段がほぼなかった |
| 課題 | 個別対応で完結しやすい | 件数が多く、1件ずつ対応すると費用倒れ |
なぜ少額・大量の未収金は「これまで解決できなかった」のか?
1件あたりが少額なため法的手続きは費用倒れになり、件数が多いため自社対応では工数と心理的負担に耐えられないからです。
少額・大量の未収金は、日本国内で年間1兆円を超えるとも言われています。一部の特殊な事業者だけの問題ではなく、中小規模の事業者にも静かに積み上がっている課題です。
| 業種(1社あたり) | 毎月発生する未収金の目安 |
|---|---|
| フィットネス(10店舗運営) | 月に約100人 |
| 不動産(5,000戸管理) | 月に約150人 |
| 病院(10施設運営) | 月に約200人 |
| 自治体(人口5万人) | 月に約700人 |
フィットネスは全国で1万店舗を超えるため、10店舗で月100人という規模感の重さがわかります。規模が大きすぎなくても、このお悩みは蓄積していきます。
未収金が会社に与える「3つの影響」
未収金は、回収できない売上・従業員の工数・現場の心理的負担という3つの形で、知らぬうちに経営に影響を与えます。
- 回収できない売上─ 売上として計上されているのに、入ってくるべき会費や賃料が入らず、日々の資金繰りがダメージを受けます。
- 従業員の工数 ── 本来は売上貢献やコスト削減に充てたい人の時間が、未収金対応という「負の業務」に割かれます。
- 心理的負担 ── 「電話すると気が重い」という声は非常に多く聞かれます。専門職である弁護士でさえ、督促の電話には強い心理的負担を感じるものです。これが現場のスタッフや営業担当に重くのしかかっています。
未収金はなぜ発生するのか?─「3つの構造」
未収金の原因は「意図しない未払い」「支払い能力の一時的な低下」「事情を抱えた未払い」の3つに大別され、悪意による踏み倒しはごく一部です。
構造1:意図しない未払い(うっかり)
クレジットカードの決済エラーや振込忘れなど、本人が気づかないまま発生するケースです。当社の調査では、過去2年以内にサービス利用料の支払遅延・未払いを経験した人は23.0%(4〜5人に1人)にのぼり、その背景には「決済エラーへの気づき遅れ(31.7%)」「解約手続きの未完了(20.0%)」がありました。
構造2:支払い能力の一時的な低下
「今すぐは難しいが、来月なら払える」「分割なら払える」といった状態です。意思はあるものの、タイミングが合っていないケースです。
構造3:事情を抱えた未払い
「窓口で払わなくていいと言われた」「料金体系が複雑で請求理由がわからない」など、本人なりの言い分があるケースです。この中にも、悪意を持って踏み倒そうとしている人は多くありません。
数多くの未収金に向き合ってきた経験から言えるのは、払っていない方の99.9%は、悪意ではなく何らかの事情を抱えているだけだということです。なかには「実は払いたかった人」もいます。
「なぜ払わないのか」と相手を責める視点から、「なぜ払えないのか」と状況に寄り添う視点へ切り替えると、解決率は格段に向上します。
「払わない人が悪い」「どうやって責めるか」という視点は、未収金を解決する一歩にはなりません。原因の多くが、うっかり・一時的な事情・本人なりの言い分にある以上、相手の状況に寄り添う姿勢こそが解決への入り口になります。
実際、当社調査でも、支払遅延が判明した際に「すぐに支払おうと思った」と答えた人が33.5%で最多でした。消費者の多くは、解決に対して前向きです。
構造ごとの解決方法
3つの構造それぞれに合った「寄り添い方」を用意することで、これまで諦めていた未収金も解決に近づきます。
裁判でも自社での督促でもない「第三の選択肢」とは?
第三の選択肢とは、中立公正な立場でオンライン上の対話を通じて未収金を解決する「ODR(オンライン紛争解決)」です。
ODR(オンライン紛争解決:Online Dispute Resolution)とは、当事者の間に中立な立場が入り、オンライン上での対話を通じて解決を図る仕組みです。少額・大量の未収金に対して、裁判のように費用がかさむこともなく、自社での連絡のように担当者へ負担を強いることもない、新しい解決の選択肢として注目されています。
| 裁判 | 自社での督促 | ODR(対話型オンライン解決) | |
|---|---|---|---|
| 適した未収金 | 単発・高額 | 少額だが件数は限定的 | 少額・大量 |
| コスト | 弁護士・訴訟費用が高額 | 人的工数・心理的負担 | 解決額に応じた成功報酬型 |
| 相手との関係 | 対立構造になりやすい | 一方的になりやすい | 中立・対話ベース |
| 解決までの導線 | 長期にわたる | 担当者の力量に依存 | 申立から支払いまでオンライン完結 |
対話型ODR「ワンネゴ」が未収金を解決する仕組み
ワンネゴは、債権者と債務者の間に中立公正な立場で入り、通知・対話・支払いまでをすべてオンラインで完結させる対話型ODRサービスです。
ワンネゴ(OneNegotiation)は、毎月発生する少額・大量の未収金の解決に特化した、弁護士が開発した対話型ODRプラットフォームです。
- 通知 ─ 「お忘れではありませんか」と寄り添う形で、申立があったことを通知します。
- 対話 ─ 「身に覚えがない」「分割なら払える」といった事情を、選択肢をタップするだけで伝えられます。
- 支払い ─ 多様な支払い方法に、オンライン上でそのまま進めます。
中立な立場で向き合うきっかけをつくり、シンプルな選択肢で解決に導くこの設計により、自社では諦めていた少額・大量の未収金について、これまでの実績で50%を超える解決を実現しています。これは、回収不能として諦めるほかなかった売上を取り戻すこと、すなわち利益の改善につながります。
サービスリリースから約1.5年で、取り扱い件数は3万件超、取り扱い金額は7億円超に達しています(いずれもこれまでの実績値であり、将来の成果を保証するものではありません)。
未収金を起こした方を「悪い人」とは捉えず、事情に寄り添って解決する設計のため、解決をきっかけに退会した会員が戻ってきたという声も、複数の事業者から寄せられています。
当社・株式会社AtoJは法務大臣認証(認証番号176)を取得し、「法の安心を世界中の手に届ける」ことを目指しています。
毎月発生する少額・大量の未収金について、
より詳しい解決事例や仕組みを知りたい方へ。
解説ウェビナー動画と資料をご用意しています。
よくある質問
少額の未収金でも、何か対応できる手段はありますか?
はい。1件あたりが少額な未収金は、裁判では費用倒れになりやすく従来は手段が限られていましたが、対話型ODR(オンライン紛争解決)であれば、少額・大量の未収金にもオンラインで対応できます。
ODR(オンライン紛争解決)とは何ですか?
ODRとは、当事者の間に中立な立場が入り、オンライン上での対話を通じて解決を図る仕組みです。裁判と比べて費用や時間の負担が小さく、少額・大量の未収金に適しています。
督促と何が違うのですか?
最大の違いは「立場」と「向き合い方」です。従来の督促が、債権者の側から「期限までに支払ってください」と一方的に伝える通告であるのに対し、対話型ODRは中立公正な第三者(法務大臣認証機関)が間に入り、双方の対話の場を提供します。相手を責めて追い立てるのではなく、「来月なら」「分割なら」といった事情に寄り添い、選べる解決策を示します。だからこそ、これまで督促では支払いに至らなかった相手も、解決に進みやすくなります。
どのような業種で未収金は発生しやすいですか?
月額・継続課金が発生するサービスほど未収金が起きやすく、フィットネス、不動産、医療・介護、学習塾、光熱費、通信などで多く見られます。当社調査では「公共料金」「通信」「サブスク」での発生が上位でした。
ワンネゴの解決率はどのくらいですか?
これまでの実績で50%を超える解決を実現しています(過去の実績値であり、将来の成果を保証するものではありません)。
利用にあたって費用はかかりますか?
申立手数料が無料のトライアルをご用意しています。料金は解決額に応じた成功報酬型のため、まずはお気軽にご相談いただけます。
ワンネゴ編集部 監修:冨田 信雄(弁護士・株式会社AtoJ 代表取締役CEO)
弁護士として2万件を超える少額債権対応の現場に従事。そこで直面したのは、少額ゆえに費用対効果が合わず、法的解決が放棄される「法の空白地帯」。同時に、大量処理が求められる現場では一方的な督促が常態化して担当者は疲弊。債務者側の事情にも一切目が向けられず、債権者と債務者の間に深いコミュニケーションのズレが生じている実態であった。 この構造的な課題を解決するため、2020年に株式会社AtoJを共同創業。「法の安心を世界中の手のひらに」を掲げ、少額大量債権特化の対話型ODR「OneNegotiation(ワンネゴ)」を開発。テクノロジーとデザインにより、低コストで双方の「対話」を回復させ、解決件数1万件を突破する中で、平均50%を超える解決率を実現。法とテクノロジーの融合で、新たな社会インフラの構築に挑んでいる。